20.08.18
中国古代から伝わる染色
Photo by Shuise-Workshop
JUMP SUIT / WIDE SHIRT
中国の染織工芸技術の歴史は長く、早くも4~5千年前の新石器時代後期に、先人も天然色素を用いて染色していました。
例えば、赤鉄鉱を粉末状に研磨して麻布を赤色に染め、飾りものの石珠に染色していました。
今でも大体の染色材料を栽培から行っている工場が中国にあります。
それが水色染坊(ミズイロセンボウ)。中国は南通市にある染め工場です。
代表の王浩然氏(Wang Haoran)は2012年から様々なプロジェクトに参加し、染料染材の実験栽培面積は6000平方メートルに達し、染料植物の品種を189種まで集めて保護しました。
染色プロセス文化に関心を持ちながら、生物と文化の多様性の保護と再生可能資源、農業廃棄物資源の総合利用を提唱しています。
原料のほとんどが工場で栽培されており、化学染料を一切使用せずに手染めを行います。
YOKO SAKAMOTO/2020年秋冬ではコットン100%のタイプライター生地を使用しており、藍染めと柿渋染めがリリースされます。
青い柿
柿渋染めは太陽の染めとも言われています。
自分たちで育てた青い柿を絞って汁を出し、時間をかけて熟成させます。
柿の種類、水の配分、時間によって色の濃度が変化します。
染めた後に時間をかけて天日干しをします。
干す日数が長くなるほど色が深くなり、変化していきます。
今回は色を濃く出す為に、7日間干しました。
梅雨の時期は作業ができなかったりと天気に左右されます。
太陽が無くてはできず、何よりも自然への感謝の思いがなければできません。
自然によって生み出されるもの、そこにはさまざまな発見を与えてくれます。
柿渋染めの染料作り
不純物を取り除く
柿渋染めの色の違い / 工場の庭先で干す様子
柿渋染めの特徴は経年変化です。
私が2017年春夏コレクションから柿渋染めの商品を出して以来、虜になる理由があるのです。
それは色の変化です。
柿渋の主な色素成分であるタンニンが年月とともに変化するので使い込むほど、愛着がわいてくるのです。
柿渋は脳卒中の民間療法としてや、中国では漢方薬として飲み継がれてきました。
私たちの身近なタンスや建具など木材に塗布して使われ、防虫・防腐・防水効果があるといわれています。
草木染めや天然染めは植物を煮煎じた物を使うので、熱湯のまま川に流すなどをしなければ環境を傷つけてしまう事はまずありません。
生地や糸を染めるのには自然界にある「天然染料」を使って染めるのが当たり前だった時代があり、今もなおそのやり方を行っている工場があります。
長く着てもらうには、長く着たいと思うもの。長く使って、味がでるもの。
そんな物作りを引き続き行っていけたらなと思います。
LONG SHIRT / 5 TUCK BAGGY TROUSERS
藍染めは深みのある藍色を表現する為、16回の手染めを繰り返しこの濃さが生まれました。
もともとはLOOKにもあるように真っ白な生地を染めるので相当な回数染めなければいけません。
化学染料を使えば1回でこの色味を出すことができます。
しかも安価に同じ色をいつでも染められる。納期がある量産には向いているのですが、化学染料の中には危険なものも在ります。
その点、草木染めは自然界の物を使って染めるので、安全性が高いと言えます。
着用する度に、天然の草木染め特有の独特な経年変化をお楽しみ下さい。
工場の水場
藍の畑
工場の様子
藍染め、柿渋染めのお取り扱い店舗
Ray Coal こちらのショップのみ水色染坊で染めた柿渋染めの別注パンツを発売
〒550-0004 大阪市西区靱本町1−14−8 鈴木ビル1F
TEL. : 06-6147-8030
Photo by Shuise-Workshop
水色染坊(Shuise-Workshop)
王浩然Wang Haoran
2012年設立
江蘇省南通市崇川区唐閘鎮街道河東北路366-3
366-3 Hedong North Road, Tangzha Town Street, Chongchuan District, Nantong City, Jiangsu Province
中国初の染料植物栽培工場であり、染色材の栽培、砲制に専念しています。